真梨子さんのデビュー40周年記念アルバム「高橋40年」。良いアルバムだと思います。CD三枚組です。一枚目は「高橋真梨子の40年を語るのに外せない全16曲 」。二枚目は「高橋真梨子本人セレクトによる全16曲 」。そして3枚目が「セルフカバー&新曲 全8曲」です。
一枚目から見ていきましょう。一曲目は「ジョニィへの伝言 」です。云わずと知れたカプリシャス時代の大ヒットです。真梨子さんがペドロ氏に口説かれて博多から一年の約束でカプリシャス入りして一曲目でした。作詞の今は亡き阿久悠は、この作品は三本の指に入ると自己評価していた傑作です。博多に鳴り響いていた真梨子さんの歌唱力が全国区になった一曲でしょう。
2曲目は「五番街のマリーへ 」です。これも今や真梨子さんのスタンダードとなった名曲です。「ジョニィへの伝言」の後を追うように大ヒットしました。吉田拓郎が真梨子さんの「察してほしい」を絶賛していました。
3曲目は「別れの朝 」。この歌を真梨子さんのオリジナルと思っている向きも少なくないようです。しかし、これはカプリシャスのヒット曲ですが、真梨子さんではありません。真梨子さんはカプリシャス2代目ボーカルです。「別れの朝 」は初代、前野曜子でヒットしました。だから最初は、「私の歌じゃない」と真梨子さんっはリクエストがあっても拒む場面もありました。でも、今はそんな拘りも捨てているようです。
4曲目「あなたの空を翔びたい 」です。1978年、真梨子さんのソロデビュー曲です。作詞作曲は尾崎亜美、捕作詞が藤村渉だ。この藤村なる人物、当時のセゾングループ総帥・堤清二氏その人だ。堤さんも今やビジネスの一戦からは身を引いて辻井喬として文筆活動に専念されておられるようです。先日のNHK・SONGSで真梨子さんと尾崎亜美が共演していました。尾崎は真梨子さんより7つくらい年下ですが、「真梨子ちゃん」を連発していたのは微笑ましい光景でした。この作品は真梨子さん念願のソロデビューを飾ったと意味で重要な一曲だと思います。
5曲目は「アフロディーテ 」。この作品は確かグリコのチョレートか何かのCMソングだったかと思います。CFには当時人気絶頂だった山口百恵と三浦友和が出演していました。時の経つのは早いもので、その二人の子供たちが芸能界デビューといった話題もああります。かつて、真梨子さんは、この曲は披露宴に相応しい曲だと語っていたことがあります。真梨子さん自身も知り合いの結婚の際に歌っていたと云います。
6曲は「for you… 」です。今でこそ、真梨子さんの代表曲ですが、発売当初は全く売れなかったとか。TBS主催の東京歌謡祭で第一位に当たる金賞を受賞するもヒットには恵まれませんでした。ヘンリーさんに言わせるとセールスは一万枚くらいだったとか。しかし、良い歌は死にません。口コミで世間に広がっていきました。カラオケで多くの人々が歌うようになりました。アジア圏でも大ヒットし、真梨子さんのオリジナルだと知らずに中国や香港、台湾等で人気を呼んだのです。
真梨子さんの親友、萬田久子さんの亡くなったパートナーも「for you… 」の大ファンだったと云います。本当の名曲はCDが売れたか如何に拘わらず人々の心に遺るもののようです。
続きはまた。