2階では、火山関連の展示のあるVOLCANOESのコーナーが悪くありません。火山が多いニュージーランドだけあって内容豊富です。小さな家のセットがあって、窓から見える海の底の火山が爆発して町は全滅という映像が見られます。もちろんフィクションなのですが、途中で実際に家が揺れ動くのもリアル。入り口のランプが緑になってから中に入りましょう。
3階は、ニュージーランドが関わってきた古今の戦争関連の展示です。その中のZEROというスペースには本物のゼロ戦が展示されています。かつて、メルボルンの戦争博物館でもゼロ戦を鑑賞しましたが、日本には、こういった施設がないのが残念です。
ここの展示品には英語と併せて日本語の説明もありました。その説明によると、展示のゼロ戦は1943年に製造されたとみられるA6M3モデル22型機だとか。最初はソロモン諸島のブーゲンビル島に配備されたらしいのですが、1943年11月に爆撃による損傷を受けたあとは放置され、一度も戦場を飛ぶことなく終戦を迎えたのだそうです。その後はニュージーランド軍の手に渡るなどの経緯があって、オークランド博物館に寄贈が決まったのは1947年だと云います。その後も点々と保管場所が変わったようで、博物館に届けられたのは1959年になってからだそうです。
そのほかにも日本軍人紹介、遺留品なども多少展示されていて、千人針の実物を見ることが出来ます。千人針というのは、出征兵士の生還を願って作られたトラの絵などの縫い取りのある布のことですね。
第二次世界大戦を主導した政治家の肖像も展示されています。彼等の生涯を追うことで、戦争の歴史を探っているように思います。勝利者となった連合国側代表?は、ルーズベルト米大統領、ソビエト最高指導者スターリン、そして英首相チャーチルです。一方の同盟国側は、ドイツのヒトラー、イタリアのムッソリーニ、そして日本の東条英樹です。
日本の教育現場では、第二次世界大戦というか近現代史について、どのような教育がなされているのでしょう。新聞報道等を見ていると、甚だ不安です。中韓両国が徹底した反日教育を実施している中で、日本の若者が先の大戦に無知であることは彼等と対峙する上で大きなハンデイキャップだと思います。日本でも、こうした施設がきちんと整備され、小中学生が妥当な近現代史を学べる日が来ることを切に望みます。
3階建ての博物館を、一通り巡ると時刻は11:20頃でした。少々疲れたのでS氏とカフェで休むことにしました。喉が渇いたのでビールを所望しました。お代は8$です。もう現地通貨の手持ちが少ないのでカード払いを選択します。パスワード入力を求められたのですが、どうも現地の器械とは相性が悪く、結局サインで済ませることになりました。
S氏と暫くビール片手に雑談して時を過ごしました。その後、ミュージアムショップで暫時、土産物を物色します。女性スタッフが「Good morning」と声を掛けて来ました。彼女、時計を見て、「Good afternoon」と笑顔で訂正します。小生も「Good afternoon」と応じました。